「映像化は不可能」と言われた作品が、ついに映画化決定です。

芥川賞作家・中村文則さん原作の『去年の冬、きみと別れ

岩田剛典さん主演で、2018年春に公開されます。

瀧本智行監督が、人間の心の内部に迫る戦慄のミステリー。

『パーフェクトワールド』に続き、かなりの難役に挑む岩田剛典さんが更なる新境地を開く!?

ここでは、映画のあらすじとキャスト、そして見どころを紹介しましょう。

最後に原作ネタバレもありますよ。

ぜひ、ご覧ください!

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去年の冬、きみと別れ 映画のあらすじは?

「僕はいつから間違ってしまったんだろうね」

耶雲恭介(やくも・きょうすけ)は、新進気鋭のルポライター。

彼が今、出版のために取材をしているのは、事件の容疑者の木原坂雄大(きはらざか・ゆうだい)です。

被害者の女性は、目が見えない人。

彼女は自分の容姿を気にしていましたが、本当に綺麗でした。

恋人もいました。

目が見えない彼女は自分の体のことも心配していましたが、見事に美しい女性でした。

彼女はなぜ、事件に巻き込まれてしまったのか。

最初は火災による事故死と見られましたが、警察が捜査を進めていくうちに浮かび上がった容疑者・木原坂雄大(きはらざか・ゆうだい)

木原坂雄大は著名な写真家で、特に蝶の写真に関しては「天才」と呼ばれるほどの傑作を残しています。

無数の黒い蝶が白い部屋の中を爆発的に乱舞しているが、よく見ると奥に人が!?

しかしその「人」は蝶たちに隠れて、女か男か人間か人形かもわかりません。

天才と狂気は紙一重なのか、芸術家が超えてはいけない危険な領域を、木原坂雄大はとうに超えていたようです。

木原坂雄大は、目が見えない彼女に故意に火をつけ、焼死させたのです。

ルポライターの耶雲恭介は、警察とは違った目線で事件を調べようと、容疑者の木原坂雄大に面会します。

例え透明のアクリル板が遮っていても、言葉だけで人の心を操る心理に長けた犯人もいるので、危険を伴うのです。

「あたなが殺したのは間違いない。そうですね?」

単刀直入に聞く耶雲恭介は、

「僕はずっと疑問に思っているのですが、あなたはなぜ殺害後・・・」

「早まってはいけない」

木原坂雄大は、耶雲恭介の言葉を遮り、

「覚悟は・・・・・・ある?」

挑発的な笑み。

自分の内面を知る覚悟はあるかと迫る木原坂雄大。

耶雲恭介には、松田百合子(まつだ・ゆりこ)という美しい婚約者がいました。

結婚を間近に控えていた耶雲恭介は、猟奇的凶悪犯かもしれない木原坂雄大に、自分のことを語ることはしません。

耶雲恭介は、木原坂雄大の周辺の人物にも会います。

彼の姉の木原坂朱里(きはらざか・あかり)も、危ない女性でした。

ルックスは美しいのですが、どこか挑発的で、耶雲を誘惑してきます。

美人の婚約者がいる耶雲恭介でも、気持ちをしっかり持っていないと、寝室に導かれそうな危険な香り。

木原坂雄大の関係者は、どこか皆、歪んでいました。

しかし、耶雲恭介も、事件の真相に迫れば迫るほど、不可解なものを感じ、底無し沼に足を取られそうになるのです。

耶雲恭介が木原坂雄大に質問しようとした疑問とは、燃えゆく彼女の写真を撮りそうな男が、火災に巻き込まれる前に逃げたという、まともな行動。

本当に木原坂雄大が真犯人なのだろうか?

去年の冬、きみ(恋人)と別れたのは、主人公の耶雲恭介ではありません。

耶雲恭介の本の出版を手伝う週刊誌の編集長・小林良樹(こばやし・よしき)なのです。

それが意味するものは・・・・・・。

危ないほどの純愛と、狂気に満ちた衝撃のミステリー。

ラストに全ての真相を知った時、その残酷な真実にあなたは耐えられるか!?
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去年の冬、君と別れ キャストを紹介

では、映画のキャストを紹介しましょう。

耶雲恭介/岩田剛典

新進気鋭のルポライター。
本を出版するために不可解な焼死事件を追うが、謎に包まれたミステリーに、いつしかのめり込んでしまう。

主演の岩田剛典さんは、かなりの難役に挑む覚悟を語っています。

「全てを賭けて臨まないと演じられないと感じるくらい複雑かつやりがいのある役どころなので、とにかく没頭して撮影に臨んでいきたいなと思います」

木原坂雄大/斎藤工

女性の焼死事件が殺人事件の可能性があり、その容疑者となった男。

著名な写真家であり、蝶を題材に「天才」と呼ばれるほどの傑作を残している。

孤独ゆえ雄弁になり、ルポライターの耶雲恭介との会話をどこか楽しんでいるようにも見える。

松田百合子/山本美月

ルポライター・耶雲恭介の婚約者。

しかし、事件の真相を追う耶雲恭介に変化が・・・?

木原坂朱里/浅見れいな

容疑者・木原坂雄大の姉。

弟は犯人ではないと庇うが、どこか性格が歪んでいるように思える。

その美貌と怪しげな香りで男を誘惑し、堕落させる危険な女性。

小林良樹/北村一輝

耶雲恭介の本の出版を手伝う週刊誌の編集長。

物語の鍵を握る最重要人物。

去年の冬、きみと別れ 映画の見どころは?

それでは、映画の見どころを見ていきましょう。

なぜこの小説が「映像化は不可能」と言われたのでしょうか。
それは、原作の『去年の冬、きみと別れ』の独特の書き方にあります。

真相をラストまで隠すため、「僕」という一人称で、それは耶雲恭介なのか、木原坂雄大なのか、あるいは小林良樹なのか。

「僕」の一人称が煙幕となり、「この『僕』は誰なのか?」と、混乱するのです。

でもこれは活字だからできることで、俳優の顔が画面に出てしまう実写化では、この手法は使えません。

今回、原作者の中村文則さんが脚本を読んで、「この手があったか!」と感嘆。

「この手」で映画化が可能になったようですが、「どの手」があったのかは、映画を観ないとわかりません。

2018年には『パーフェクトワールド』の映画公開があるなか、さらに今作『去年の冬、きみと別れ』でも主演を務める岩田剛典さん。

耶雲恭介は心の中にトラウマを持ち、それが刺激されてしまい、婚約者も知らない様々な感情が浮き彫りにされていきます。

内面を表現するのは、本当に難しい演技だと思いますね。

次々主演映画のオファーが来るということは、その演技力に映画監督たちが目を見張っているのでしょう。

斎藤工さんは、結構危ない役が似合います。

今作は、大ヒット映画『羊たちの沈黙』を思い起こさせるような、内面を描く物語なので、危険な香りに満ちています。

もう一人、危険な役を演じる浅見れいなさん。

この木原坂姉弟に関わると、ろくなことはなさそうですが、耶雲恭介は引き込まれてしまいます。

岩田剛典さんと、斎藤工さん、浅見れいなさんの絡みが楽しみですね。

小説では姉の朱里に誘惑され、恋人を裏切り寝室に入ってしまう「僕」ですが、果たして映画の耶雲恭介は?

岩田剛典ファンも気が気じゃないシーンです。

小林良樹編集長役の北村一輝さんに注目です。

小林良樹の一挙一動、セリフなどをよくよく聞き逃さないことが大事です。

それほどの重要人物なんです。

心に刺さるメッセージ、圧倒的なエナジー。

ラストに戦慄シーンが待っているようですが、衝撃を受け止められるように、心の準備が必要ですね。

去年の冬、きみと別れ 原作ネタバレ

映画は、被害者が一人のようで、しかも主人公の恋人の名前も違うところから、原作とはかなり設定が異なると思います。

それでは、ここからが原作ネタバレです。

二人の女性を焼死させた木原坂雄大は、死刑判決を受けていました。

一件目は火災による事故と思われましたが、二件目も同じようなことが起こり、木原坂雄大を逮捕。

ならば一件目も木原坂の犯行と警察は見たわけです。

本を出版するために事件の真相を追うライターの「僕」は、猟奇的凶悪犯の心理として、しかも木原坂は写真家なので、ある疑問が浮かびます。

悪魔的行為ではあるが、燃えゆく被害者女性の写真を撮るならば、まだ動機がわかりやすい。

ところが木原坂は写真を撮っていない。

その疑問を本人にぶつけても、木原坂雄大は、一方的なのは不公平だと言うのです。

僕の内面を知りたいのなら、君の内面も僕に晒さなければいけない。

しかしそれは、非常に危険なことなので、「僕」は自分の内面を晒すことはしません。

ライターの「僕」は、木原坂雄大の姉・朱里に、旅館で会いました。

朱里に、子供の頃の話から今回の事件について、あるいは蝶の写真について尋ね、会話しましたが、朱里が挑発的に冷たく言います。

「あなたは何もわかっていない。そんな理解力しか持ち合わせていないなんて、あなたでは無理ね」

「え?」

「私達の領域にまで、来ることはできない」

「領域?」

「あなたには、とても私達の本は書けない」

旅館の次は、朱里の部屋で再会。

私の部屋に来る勇気、覚悟はないでしょうみたいに言われたら、男として引けなくなってしまったか。

しかし朱里の誘惑は強烈で、気づいてみたら理性は飛び、寝室で禁断の行為。

朱里と付き合った男性が二人とも命を絶っている事実を知っても、「僕」は朱里に引き込まれていくのです。

「あなたよりも悪い人間になります・・・」

ライターの「僕」という人間を信用した『朱里』は、ベッドの上で、「あなたに見せたいものがある」と一枚の写真を見せます。

それは、弟の木原坂雄大が撮った姉・朱里の写真。

この写真を見せたくなかったのは、自分の本性、正体がわかってしまうから。

それは内面の奥まで映し出してしまった写真という意味ではなく、目の前にいる女性は、朱里ではないとわかってしまうという意味。

では、この、今目の前にいる朱里・・・女性は、誰?

「助けて・・・くれる? 殺して欲しい人間がいるの」

「僕はいつから間違ってしまったんだろうね」

人生を間違えたのは、木原坂雄大だけではなかった。

「去年の冬、きみと別れ、僕は化物になると決めた」

そう告白したのは、小林良樹。

この物語がまさか、小林良樹による、木原坂雄大への復讐劇だったとは!?

死刑執行よりも、はるかに残忍な仕打ち。

それは、全ての真実を小説に描き、木原坂雄大に読ませること。

おまえが焼死させたのは、実は・・・・・・。

木原坂雄大の関係者は皆、歪んでいました。

そして唯一まともだった「僕」も、深みにはまっていくのです。

まとめ

原作を読んだ人も、読んでいない人も、ともに楽しめる映画に仕上がると思います。

映画としては、原作にはない華麗なヒロインが欲しかったのでしょう。

『嘘の戦争』や『ピーチガール』など、ドラマで映画で数多くヒロインを演じる山本美月さんなら、文句なしです。

どんな役どころになるか、物語にどう絡んでいくのか、興味津々です。

「狂気」をどこまで表現するのか、斎藤工さんの演技にも注目ですね。

『相棒劇場版Ⅳ』で北村一輝さんは、悪役かと思ったら、実は国を憂う志士でした。

今作もどう転ぶ役なのか、最後まで目が離せません。