フジテレビで23時40分~24時35分放送の「オトナの土ドラ」は、迫り来るようなドラマが多いですね。

恐怖の隣人に戦慄した『火の粉』、親子の絆に涙した『朝が来る』、一進一退の攻防の『とげ 小市民 倉永晴之の逆襲』

50歳のヒロイン『ノンママ白書』やヒューマンSFドラマ『リテイク 時をかける想い』

そして、2017年2月4日からスタートするのは、『真昼の悪魔

芥川賞作家・遠藤周作先生原作の『真昼の悪魔』がついにドラマ化されます。

この美しき女医は、本当に悪魔に魅入られたのか・・・・・・?

ここでは、ドラマのキャストとあらすじ、見どころを紹介しましょう。
最後に原作ネタバレもありますよ。

ぜひ、ご覧ください!
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真昼の悪魔 あらすじは?

それでは、ドラマのあらすじを見ていきましょう。

悪と悪魔の違いは?

たとえば強盗は悪。
しかし、貧しさに耐えかねて、人の物を盗むという行為は悪ではあるけれど、そこには人間的感情があります。

では、悪魔は?
悪いことをしたいから、悪いことをする。

そこに「何のために」などという人間らしい理由は、入り込む余地がないのです。

美しい女医の大河内葉子は、都会のミサで神父の話を聞いていました。

熱心に説教を聞く人ばかりとは限らないので、咳払いも聞こえる教会。

しかし、神父が、「きょうは悪魔の話をしたいと思います」と言った時、皆の顔が一斉に神父に向けられました。

悪魔は映画や小説に出てくるような、真っ黒の怪物ではありません。
知らず知らず、人に忍び寄り、埃のように目立たない姿で、心の中に侵入するのです。

こういう話をすると、「そんなバカな話」と皆思いますが、それこそ悪魔の望むところ。
悪魔など架空の存在と人々に思わせたほうが、悪魔にとって都合が良いのです。

大河内葉子は無表情のまま、神父の話を聞いていました。

作家志望の青年・難波聖人は、突然の腹痛に襲われました。
あまりの激痛に、とても耐えるのは無理で、病院に運び込まれます。

この病院には、聖人の知人である吉田誠がいました。
吉田誠は医局長です。

難波聖人を診察したのは、大河内葉子。
文句なしの美貌と、大人の色香を漂わせる葉子に目を奪われる聖人。

白衣を着ていると、不思議と清潔さが感じられますが、今は女医に見とれている場合ではなく、腹痛を治すほうが先です。

診断の結果は、虫垂炎でした。
葉子は言葉だけではなく、手で彼の体にタッチしながら励ましを送ります。

女神のような眩しい女医に診られて、痛みが和らいだ気がする聖人。

手術は成功しましたが、入院することになりました。

最初は規則正しい入院生活を守っていたし、女医も看護師も魅力的で悪いことばかりではないと思っていた聖人。
何より葉子が担当医になったのは喜ばしいことです。

しかし、段々入院生活が退屈になり、退院したくなった頃、人懐っこい清掃員と出会います。

芳賀明善は、さすが病院内を清掃して回っているので、院内のことに詳しいのです。

また医師や看護師は清掃員を特に気に止めることもないので、芳賀が探偵まがいの情報収集をしていることなど、微塵も疑っていません。

ある意味無視されることは、芳賀には好都合なのです。

聖人が入院してから、病院内で不思議な事件が次々と起こります。
刑事事件にまでは発展しないけど、放っておけない出来事です。

医療ミス、偽カルテ、患者のアレルギーの見過ごし・・・。
それは事故か、それとも故意か?

芳賀を信用して一緒に探偵のごとく病院内の秘密を探る聖人。

まさかそれが悪夢の始まりとは気づかずに・・・。

大河内葉子は、二つの顔を持つ女。
病院では、優しく美しい白衣の女神。

男性医師や患者は彼女に心を奪われ、同性の看護師からも尊敬されていました。

ところが、プライベートタイムでは派手に遊び回る跳んでる女子。

御曹司・大塚光は葉子と出会い、ほとんどひと目惚れ。

食事に誘えば付き合ってくれる葉子ですが、男の心を弄び、落とされることは永遠にないのです。

なぜなら彼女には、罪悪感や人間的感情といった当たり前のものが、ないから・・・・・・。

人間の心の中の葛藤を描く究極の心理サスペンス。
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真昼の悪魔 キャストを紹介

では、ドラマのキャストを紹介しましょう。

大河内葉子/田中麗奈

病院スタッフからも患者からも信頼されている優秀な女医。
しかし男をその気にさせてクルリと背を向け翻弄する魔性の女という裏の顔もある。

いつからか、高校生の頃からか、人の痛み苦しみに何の感情も湧かない自分に気づく。

ある日のミサで神父から悪魔の話を聞き、自分の心の中には悪魔が棲みついているのではないかと思う。

今作で田中麗奈さんが演じるのは、小悪魔ではなく、本当の悪魔?

病院でも小悪魔のようにキュートなスマイルで患者を虜にしますが、もっと悪いことをしてしまう悪女の顔あり。

田中麗奈さんは、主演の意気込みを語っています。

悪とは何かということへの探究心。彼女は人と違うのかもしれない。もしくは、誰にでもある心に素直なだけかもしれない。私も大河内葉子に引き寄せられた一人として、この役を演じたいと思いました

難波聖人/中村蒼

虫垂炎で入院し、大河内葉子と出会う作家志望の青年。

探偵まがいの清掃員・芳賀明善と院内の奇怪な事件の真相を追うが、窮地に立たされることに・・・。

中村蒼さんといえば、『無痛~診える眼~』(2015年・フジテレビ)のイバラ役が記憶に新しいですね。

映像化は無理ではないかと思われた特異なイバラを見事に熱演した中村蒼さん。

特殊メイクではなく、本当にスキンヘッドにして撮影に臨んだ役者根性が話題になりました。

中村蒼さんも、大河内葉子について率直に語っています。

なぜか悪魔的な行為をする葉子に興味が湧いている自分がいて、なぜこんなことをするのか、何がきっかけなのか。気がついたらそのことばかり考えていました。今まで僕が想像していた『悪』というもののイメージが変わったような気がしました

真昼の悪魔 ドラマの見どころは?

それでは、ドラマの見どころを見ていきましょう。

田中麗奈さんは、多くの主演作品がありますが、今作『真昼の悪魔』につながる役といえば、『美しき罠~残花繚乱~』(2015年・TBS)

妻子ある男と不倫する独身の女性・リカは、結婚したいわけじゃないので、正妻から略奪する気はなく、快楽と愛を感じる僅かな時間を大切にしたいだけ。

人を惹きつける魅惑というものは、やはり努力では得られない天性のもの。

でも今回の大河内葉子は、男を誘惑しますが、それだけの単なる小悪魔や魔性の女ではないんです。

実際に病院内で起こる奇怪な事件の主犯?
しかも動機がとんでもなくて、罪悪感を抱くかの実験なのです。

人の苦痛を見ても何も感じないし、悪いことをしても罪悪感が起きない。
だから、罪悪感を抱けるまで悪いことを実行するので、被害者はたまりません。

この不思議で難しい役を、田中麗奈さんがどう演じるかが、最大の見どころでしょう。

「悪女」は今まで多くの女優が演じてきましたが、神父の言うように悪魔がその身に入ったとしたならば、ただの悪女とも違います。

葉子は普通の女性に戻りたいという気持ちも持っていて、神父に相談に行く場面もあるのです。

告白の内容があまりにも凄いので、懺悔室で慣れているはずの神父も、驚きを隠せません。

一方、中村蒼さん演じる難波聖人は、罠にはまり、蟻地獄に落ちます。
ドラマは難波聖人の目線で奇怪な事件を紐解いていくので、もう一人の主役でもあるのです。

まだ発表されていませんが、ほかにも気になる登場人物がいますね。
謎の清掃員・芳賀明善。
医局長の吉田誠。
葉子に翻弄される御曹司・大塚光。
ほかの女医や看護師にも魅力的な女優の抜擢を期待!

脚本は、『無痛~診える眼~』『火の粉』の香坂隆史さんなので、再び戦慄を味わえるドラマになるかもしれませんよ。

刺激が欲しい現代人の欲求を満たすハラハラドキドキのスリリングな心理サスペンスです。

真昼の悪魔 原作ネタバレ

遠藤周作さん原作『真昼の悪魔』は、初版を見ると昭和59年12月20日発行。

当然、今の時代と異なることが多々あり、ドラマの背景は現代だと思うので、原作とは設定も違うと思います。

昔と今のドラマの大きな違いは、スマホの有無。
まだ携帯電話が普及していない昭和の時代から見ると、スマホは魔法ですからね。

清掃員の芳賀明善は、原作では長期入院している父親の見舞いに来ている青年。

難波聖人の病名も虫垂炎ではなくて、結核です。
でも、大河内葉子だけは、同じですね。

次々と起こる病院内での不可解な出来事。
病気を苦に屋上から飛び降りた患者。

入院中の幼い男の子が、同じように入院中の幼い女の子を、池に突き落とす。

医療ミスなのか、違う点滴を打ってあわや命を失うところだった女性患者。

芳賀は、これらは単なる事故などではなく、4人の女医の中に犯人がいると推理。

難波も、芳賀に協力して、女医に変な質問をぶつけ、反応を見ます。

ただ、まだ若い難波は、探偵ごっこに明け暮れているわけではなく、若くて美しい女医や看護師に魅了されていました。

重症ではない難波は、院内の散歩を許されているため、たまにテニスコートを覗きます。

そこには眩しいばかりのテニスウェアを着た女医や看護師が、見事な美脚を惜しみなく披露し、ラケットを持って躍動しています。

白衣とはまた違った彼女たちの姿に、若い難波の胸が高鳴ります。

美人外科医・大河内葉子の愛読書は、ドストエフスキーの『罪と罰』

この小説の主人公同様、「なぜ人を殺してはいけないのか?」という危ない疑念にかられます。

葉子の講師である吉田の紹介で、御曹司の大塚は葉子と会い、ひと目惚れ。

高級レストランで食事したり、ベンツで迎えに来たり。

大塚にしてみれば、この女医も落とせると自信満々ですが、葉子はデート中も退屈していました。

この手の金持ち男の自慢話は、飽き飽きしていたのです。

どうしても会話の中心が自慢話になってしまうので、露骨につまらなそうな表情をする葉子。

「僕の話、つまらないですか?」

「別に」

つれない態度とは裏腹に、箱根のホテルで宿泊してくれる葉子に舞い上がる大塚。

大塚は、紳士的なところを見せよう部屋を二つとります。

葉子はわざと部屋のドアを開け、バスルームへ。

大塚は彼女の部屋のドアが開いているので、開けて部屋に入ると、ベッドの上には今脱ぎ捨てた服と下着。

バスルームから聞こえるシャワーの音に燃える大塚。

こんな挑発的なことをしておいて、男をその気にさせながら、体を許さない葉子。

軽井沢のホテルで宿泊する葉子と大塚。

小説家の宮澤がいたので、また顔の広さを自慢しようと宮澤を葉子に紹介します。

ところが葉子は宮澤と文学談義に花を咲かせ、大塚をそっちのけ。

嫉妬心に胸を焦がす大塚に、追い討ちをかけるような悪魔の所業。

部屋で待っている大塚は、いっこうに来ない葉子に業を煮やす。

何と葉子は、宮澤の部屋にいました。

一糸まとわぬ姿でベッドに寝転がり、宮澤に体を許してしまう葉子。

これが土曜ワイド劇場なら確実にあの世へ送られるパターンです。

しかし虜にされた大塚は、「別れよう」と思うけど、葉子を手放せないのです。

神父は慈悲の心から、葉子に厳しく忠告し、「悪よりも善を」と指導しますが、氷の微笑で話を交わし、本気で聞きません。

芳賀と一緒に院内のことに深く入り込み過ぎた難波は、ついに医師や看護師から要注意人物としてマークされることに。

「奇怪な事件の犯人は女医の誰か」と口にした難波は、独房のような個室に閉じ込められてしまいます。

難波は芳賀の名前を出しますが、芳賀は「難波など知らない」とまさかの裏切り。
完全に窮地に追い込まれました。

難波を裏切った芳賀を厳しく追及する神父。

「なぜそんなことをした?」と聞かれた芳賀は、「面白いから」と悪魔の笑顔。

そう、芳賀も、葉子と同じ、人の苦痛に何の感情も湧かない人間だったのです。

葉子と芳賀が対面するクライマックスシーン。

初めて葉子の背筋を凍らせた芳賀の笑顔。

同類・・・・・・。

ピエロのような不気味な笑顔で見つめられて、感情がないはずの葉子の感情が動き、彼女は痙攣したように体が震えたのです。

果たして葉子も、芳賀も、神父の言う悪魔に魅入られてしまった者なのか?

まとめ

原作は衝撃的で、最後まで何のフォローもなく、善良な好青年だったはずの難波まで、結局、子猫を平気でどぶ川に蹴落とす男になってしまいます。

ドラマはおそらく、ハッピーエンドか、それに近いまとめ方をすると思いますね。

でも最大の見どころは、やはり大河内葉子。

田中麗奈さんが、周囲の者たちを翻弄する魅惑の女医を、きっと見事に演じきってくれることでしょう。

そして、悪とは何か、善とは何かというテーマを真正面から描いていくと思います。